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綿向山【遭難】【滑落事故】について

【重要】

【綿向山で滑落事故について】    2015年2月21日(土)


  先日9日(月)の道迷い遭難に続いて、21日(土)、綿向山で滑落事故が発生しました。

  当日、入山中の日野町山岳遭難防止対策連絡協議会のWAKのラリ−・ベルさんより連絡を受け、私もその一員として、日野消防署に状況等のお話を伺って来ました。

  滑落したのは、30代の名古屋市の女性。
  同行は、名古屋市と亀山市の共に30代の男性2人で3人パーティーとのこと。

  御幸橋駐車場を6:30頃 に出発。
  ヒミズ谷出合小屋から、表参道冬道を経て綿向山頂上に9:30頃到着。
  10:00頃に、竜王山へ向けて出発。

  イハイガ岳竜王山分岐から、北尾根の急坂を下り962mピーク (石楠花の頭)を北へ越えた細尾根の、トラロープが張られている急坂の辺りで、10:30頃、女性が水木谷の支谷の高落谷側へ約20m滑落した。

  しばらくして通りかかった男性の登山者2名の加勢により、計4名で膝までの積雪の中、女性を尾根の登山路まで引き上げた。が、歩行困難ということで、12:07頃救助を要請。

  14:30頃、三重県の防災ヘリによって吊り上げられて病院へ搬送されました。
  骨盤骨折と診断されたそうです。

  3人の登山経験は、女性が3年。男性2人が4年。
  亀山市の男性は、綿向山に冬2回(いずれも表参道)で、竜王山ルートは経験無し。
  名古屋市の男女は他の山の経験はあるものの綿向山は初めてということでした。

  3人は、冬山の装備や食料は万端であったが、事故当時軽アイゼンは携行していたものの、使用せず、つぼ足での縦走だった。

  急坂が続くシャクナゲ尾根は例年に無い深い積雪に、この日の気温は高めで雪面も緩んで滑りやすい状態であった 。利きが悪くてもやはりアイゼンは使用するべきだったでしょう。

  2月の綿向山は、10年前にも大阪の男女が竜王山から綿向山に登り、水無山をトラバース 中にヒミズ谷に滑落する事故がありました。(この人たちはアイゼンを着けていましたが)

  2月の綿向山の雪質や積雪は、気温によって複雑に変化します。
  つぼ足か、アイゼンか、輪かんか、スノーシューか、と用具の使い分けも経験しないと的確な判断は難しい。

  要は、1000m級の冬山と侮ることのないように、慎重に綿向山登山に対していただきたいものです。

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【綿向山の遭難について】    2015年 2月 9日(月)


  2月9日、午後4時半ごろ、滋賀県蒲生郡日野町の鈴鹿山脈の綿向山(1110m)に登山に出掛けた、三重県松阪市の男性2人が、下山途中で道に迷っていると、男性らの妻から三重県警を通じて東近江署に通報があった。
  地元消防署員が捜索している。


  以上のように京都新聞(部分)が報じましたので、日野町山岳遭難防止対策連絡協議会の一員として、その内容等について、東近江警察署ならびに、日野消防署にお尋ねしました。

  ★入山した2人は、50代と60代。
  西明禅寺 の前に、乗って来た車を駐車。
  以後、徒歩で水木谷林道に入り、竜王山登山口に登山届けを提出。
  竜王山頂上を経て、竜王鉄塔尾根、シャクナゲ尾根を縦走し、午後2時半ごろ綿向山頂上に登頂した。

  8日に降雪があり、トレースも不鮮明で、積雪100センチ前後の中、難渋しての登頂だったと思われる。

  綿向山登頂後、冬道ルートがあることを知らず、また冬道案内の標識も気が付かずに、夏道の鳥居をくぐり一面雪に覆われて見えない階段を下り、雪の表参道をたどり、八合目の道標まで来た。

  しかし、その先の夏道は解らず、雪の中、谷に降りた。その先に行くも進退極まり道に迷ったと判断。妻や東近江警察署への通報となった。

  9日は、東近江署などが通報後山中を捜索したが見つからず、積雪のため午後9時に捜索を打ち切り、10日朝から捜索を再開。

  朝8時半ごろ、居どころが判明。頂上から西南西2Kの所に発見された。

  その後二人の所に行くのに、険しい谷や積雪でルート確保もままならず、上空から、滋賀県警ヘリや三重県の防災ヘリや、滋賀県の防災ヘリを使用。

  14:10ごろ、三合目付近にて、一人をヘリにて吊り上げて救助し、病院へ搬送。
  一方のもう一人は、離れて谷に居たので、積雪で近づくのに時間がかかり、夕方、17:30ごろ、ヒミズ谷と思われる地点でヘリにて吊り上げて救助し、病院へ搬送。

  先に救助された方は軽傷と低体温症とのこと。

  後で救助された方は、軽傷とのことでした。

  2人のうち、一人は綿向山登山の経験があり、もう一人は経験無しとのこと。

  なお、東近江署と日野消防署などで、組まれた救助隊の方々は、20:30に御幸橋駐車場に現場から下山し、解散されました。
  酷寒の中、お疲れ様でした。ありがとうございました。

  今回の遭難は、夏山と冬山とくに、雪山に対する心構えがあまりにも甘く、雪山に対する情報の下調べ、ガイドブックの熟読が必要と思われます。

  雪山の縦走を試みる場合登り口と下り口のそれぞれの往復登山を経た上で、縦走登山を計画するのが、順序でしょう。

  今回悔やまれるのは、山頂から七合目に下る冬道が、この日の登山者によってくっきりとトレースが付けられていたのが、見つけられなかったことです。

  ★冬の綿向山 に来られる多くの登山者に覚えていただきたいのが、次の通りです。

  ◎積雪期には、七合目から頂上に至る夏道区間は滑落や道迷いの恐れがあり、通行しないこと。
  その代わりには七合目からは、冬道専用の尾根道を行くこと。

  ◎冬の水無山への夏道は、山腹を通っており、滑落の危険大で、通行しないこと。
  山の地形を熟知したベテランだけが道の無い尾根を通って水無山に登頂されています。

  ◎竜王山から綿向山の縦走は、急坂が続き、予想以上に時間がかかるので、計画は余裕を持って立ててください。

  ◎登山届け出は必ず出しましょう。

  綿向山ファンのみなさまにとりまして、楽しく安全な登山になりますように願っています。

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